一体何が起きたのでしょうか?
というのは、現指定管理者が2019年度以降の指定管理者を辞退するから募集している兵庫県神戸市のこと。
経済観光局が所管する神戸市立国民宿舎須磨荘(シーパル須磨)について、現指定管理者が法人の都合により平成31年度以降の当該施設の指定管理業務を辞退することとなりましたので、運営を継続するため下記のとおり事業者を公募いたします。
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2018/11/20181122142001.html
指定管理期間中に撤退
現在の指定管理者は、株式会社休暇村サービス(東京都台東区)。
2016年の公募時には、5団体のなかから他団体に比べ安定的に運営が出来る提案内容だとして休暇村サービスが選定され、2017年4月から2021年3月まで指定管理運営するはずでした。
ところが、休暇村サービスが辞退というか撤退しちゃうんですよね。
何が理由かはわかりませんが、休暇村サービスは神戸市だけでなく、広島県江田島市、島根県吉賀町でも年度途中に撤退しています。
江田島市の場合
「シーサイド温泉のうみ」の指定管理期間は平成31年3月まででしたが、平成30年10月までで撤退。
残り4ヶ月で指定管理満了なのに、撤退しなくてはいけなかった理由は西日本豪雨による赤字増加のようです。
江田島市としても何とか続けてもらえるように交渉したのでしょうが、早く撤退したい休暇村サービスを説得することはできなかったのでしょう。
現在は、地元の建設会社である株式会社大柿産業が、平成30年11月~31年3月まで指定管理者となって運営されるようですが、江田島市も受けた会社も相当大変だったと思いますよ。
吉賀町の場合
こちらも平成31年3月で満了だったのに平成30年11月までの撤退が決定した「むいかいち温泉ゆ・ら・ら」。
撤退理由は、ここでも西日本豪雨により追い打ちをかけた赤字問題。
こちらは11月はやむなく全館休館して、12月からは町内の第3セクター「サンエム」に委託して再開するようです。
ちなみに2019年4月以降の指定管理者は公募して選定するようですね。
株式会社休暇村サービス
一般財団法人休暇村協会のグループ会社の休暇村サービス。
ホームページで財務諸表が見られますが、確かに平成29年度は1億円以上の赤字だったんですね。
休暇村サービスは、国立公園を中心に37のリゾート施設を展開する一般財団法人休暇村協会のグループ会社として創業し、公的宿泊施設等の経営サポートを通して、地域の観光振興に貢献することを目指しています。
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休暇村サービスの指定管理等運営施設
シーパル須磨 | 兵庫県神戸市 | H29.4.1~H33.3.31 |
国民宿舎 両神荘 | 埼玉県秩父郡小鹿野町 | – |
国民宿舎 能登小牧台 | 石川県七尾市 | H28.4.1~H31.3.31 |
保養センター 美榛苑 | 奈良県宇陀市 | H28.4.1~H31.3.31 |
国民宿舎 サンロード吉備路 | 岡山県総社市 | H26.4.1~H31.3.31 |
グリーンピアせとうち | 広島県呉市 | H30.9.1~H32.3.31 |
国民宿舎 レインボー桜島 | 鹿児島県鹿児島市 | H29.4.1~H34.3.31 |
宿泊施設が得意な会社さんは、休暇村サービスが運営している施設を狙い撃ちしてそうですね。
残りわずかでも撤退する理由
西日本を中心に指定管理者を撤退している休暇村サービス。
この問題の裏には、指定管理者制度の闇が隠れているような気がします。
指定管理者は請負業務ではないのですが、どうも行政からは「指定管理業者」と呼んで、お金を払っているんだからと業者感覚で話をしてくる自治体が多いのが現状です。
今回のケースももしかしたら、協定書のリスク分担に基づいて、天災に対する交渉をしていたが、指定管理者にそのリスクを飲ませようとして、憤慨した結果、残りわずかの指定管理期間であっても途中で撤退する決断にいたったのではないかとも考えられます。
いずれにしても、行政は予算がないからといって無理強いしないこと、指定管理者は赤字にならない運営をしていき、互いのコミュニケーションも大切にして、今回のような途中撤退で市民に影響がいくような話にはして欲しくないですね。
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